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フォトエッセイ・2008年5月号

「生きる」

南船橋駅にて

突然だが、まず始めに私の過去の体験について少し書いてみたい。
重たい話になるだろうが、それはどうかお許し頂きたい。

私は前の職場で一度挫折というものを経験した。
今は「あの程度のことで・・・」と思えるに至っているが、
当時の私はまさに追いつめられていた。いや、そのように思い込んでいた。
これには私の生真面目な性格が大きく影響していたように思う。
他人なら気にも掛けないような小さな事が気になり、
あれこれと深く考え込んだ挙げ句にマイナス思考の泥沼に浸かってしまう。
そして、いつしか「死にたい」と思うようになっていた。

今でもその場所ははっきりと覚えているのだが、
落ちたら間違いなく死ぬであろう高い橋・・・
「ここでいい」と呟きながら手を掛けたが、
私はそこで思い留まった。
理由はただ一つ、「両親の顔」を思い出したから。
そして親より先に逝くことは親不孝であると思い直したためだった。

先日、東海道新幹線「のぞみ」において、
男性客が走行中にドアコックを操作して列車から飛び降り自殺を図った事件があった。
また、鉄道とは無関係だが硫化水素を使用した自殺も最近多発している。
本人にしかわからない事情もいろいろあるだろう。
しかし、だからと言って母親が痛い思いをして生んでくれたその命を、
粗末にして良いはずがない。
これまでも私自身、公共交通機関を止めてしまう自殺について、
絶対にやめて欲しいと出来る限りこのホームページで訴えてきたが、
それはただ迷惑だからという短絡的な考えではなく、
冒頭で述べた私自身の経験や思いを踏まえた上で、
心の底から思い留まって欲しいという願いに他ならない。

どうか、自殺を考えている人は今一度考え直して欲しい。
そして、どんな形でもいいから立ち直り社会に貢献して欲しい。
なぜなら、この世に不必要な人間など存在しないのだから・・・

(写真は人身事故で足止めされた乗客らの様子。2007年1月3日、JR京葉線南船橋駅にて撮影)


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