東海道新幹線加勢野トンネル・・・
岐阜羽島と米原の間に位置するこのトンネルは、
トンネル抜きのアングルとして昔から有名な撮影スポットである。
私は東海道新幹線内で今まさに最後の活躍を見せる500系をカメラに収めるべく、
その場所へと向かった。
ここは超の上にさらに超が付くくらいの望遠レンズが必要な場所である。
そそくさとセッティングを済ませ、
トンネルの向こうから列車が来るのを静かに待つ。
途中300系や700系が次々と目の前を通過していくが、
トンネルの先にカーブがあるため見通しが非常に悪く、
一瞬でも気付くのが遅れるとあっという間に撮り逃がしてしまう。
まさに油断大敵!
しかも、この日はとても風が強く、
超望遠であるが故にフレーミングが全く安定しない。
「関ヶ原の戦い」は想像以上に困難だった。
そんな状況の中、
ファインダーの中に500系がヘッドライトを煌めかせながら姿を現した。
すかさずモードラをかけたカメラでシャッターを切り始める。
風の煽りを受けてレンズが左右に振られる。
それを高速シャッターで回避しつつ、
列車がトンネルに入るまでシャッターボタンを押し続けた・・・
戦いは終わった。
相変わらず冷たく強い風が体に吹き付ける。
しかし、つい先程まで厄介な敵と思っていたこの強い風も、
いつの間にか戦いの労をねぎらうかのような心地良さに変わっていたような気がした。
(写真は500系「のぞみ」。2007年4月14日、東海道新幹線・岐阜羽島〜米原にて撮影)