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フォトエッセイ・2007年2月号

「超望遠の世界」

東海道新幹線300系「ひかり404号」東京行き@米原〜岐阜羽島

人には遠くのものを間近で見てみたいという欲があると言われている。
実際、普段の生活の中でも気になるものが遠くにあって近づいてみた、
という行動は誰でも覚えがあるはずだ。

写真の場合はどうだろう?
先に挙げたような行動をすることがほとんどだと思うが、
様々な制約からそれが出来ない被写体も多い。
野球やサッカー、モータースポーツ、そして動物と、
そのジャンルは意外と幅広い。
もちろん、私が趣味とする鉄道もその一つである。

在来線では撮影できる場所は数多く点在しているが、
鉄道は被写体以前に公共交通機関である以上、
安全確保のために我々が立ち入れる範囲はある程度制限されている。
ましてや時速200キロ以上のスピードで走る新幹線ともなると、
法律によって人が容易に立ち入れない構造となっており、
自ずと撮影できる場所は限られてくる。

今回取り上げた写真は、そんな新幹線の沿線から超望遠レンズを使って撮影したもの。
ほんのわずかな隙間からも切り取ることができるこのレンズは、
新幹線を撮影する上で非常に大きな武器となるが、
人の視覚を遙かに超えた引き寄せ効果がもたらす、この独特の世界の前には、
そんな小さな事はどうでもよくなってしまう。

もっとも、この圧縮された世界を表現するためにはそれなりの道具が必要になる。
それ故、誰でも手軽にというわけにはいかないだろうが、
結局それは冒頭で述べた「欲」の延長線上にあり、
一度体験するとその魅力に取り憑かれてしまうだろう。
無論、私もそんな世界に魅せられた一人である。

(写真は東海道新幹線300系「ひかり」。2007年1月20日、米原〜岐阜羽島にて撮影)


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