トップページに戻る

目次に戻る

2006年10月号へ進む


フォトエッセイ・2006年9月号

「ローカル私鉄の行方」

鹿島鉄道KR-500形車両@常陸小川

「カラカラカラカラ…」

こじんまりとしたホームに1両のディーゼルカーが停まっている。
そこから聞こえてくるアイドリングの音は、
まるで人間がレースを始める前に、落ち着こうとする息づかいのようにも思える。

もうすぐ発車時刻。
信号はすでに進行を示す青が点っている。
運転士は静かに指を指して確認した。

やがて「パタン!」と戸が閉まり、エアが抜ける。
すると今まで単調な音しか発していなかったエンジンから、
「グウォーン」という音とともに、列車はゆっくりと去っていく。

列車がいなくなり静けさを取り戻したホーム。
毎日繰り返されるこうした日常の光景。
我々はいつまで目にすることが出来るのだろうか?

行く末を知っているのか、蝉が悲しそうに鳴いているように聞こえた。

(写真は鹿島鉄道KR-500形車両・2006年8月20日、常陸小川駅にて撮影)


2006年8月号に戻る

目次に戻る

トップページに戻る