雪原の中をたった一両の列車がトコトコと走っていく。
自然環境の厳しい北の大地にあって、
その小柄な車両は少し頼りなさそうにも見えるが、
それでも頑張って歩みを進めていた。
やがて列車は、西日が生み出したこの幻想的な空間の中をしばし進む。
それは太陽が完全に沈むまでの間、旅人の心を掴んで離さなかった。
しかし、今となってはこの車窓も幻のものとなった。
そう、何を隠そう、この車窓の写真は先月20日をもって廃線となった、
北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線で、
私が昨年この北の大地を旅した時にフィルムに焼き付けたものなのだから…。
私自身、今まで様々な車窓を楽しんできたが、
北の大地ならではのこの風景は私にとって思い出深い1枚となった。
もう2度と見ることができないのは、ただただ、残念というほかはないが、
1度だけでも、
この素晴らしい風景を眺めることが出来たことをとても幸せに思う。
(写真は北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の車窓・2005年2月11日、陸別〜分線間にて撮影)