夜の駅、というと皆さんはどういったことを思い浮かべられるだろうか。
仕事が終わって疲れ切った顔をしながらも、早く家路に就こうと混んでいる電車に乗り込む人、
夜行列車に乗ってこれから待っている楽しい旅に心を躍らせている人、
出張や単身赴任から開放され、ホッとした思いで列車に乗り込む人、
同じ駅なのに、夜、ということだけでそこには昼間とは違う様々な顔があるように思う。
私が小学生の頃、父親に連れられて冬山へスキーをしに行ったことがあった。
その時は上野駅から夜行列車で、今は亡き碓氷峠を越えて長野方面へ向かったのだが、
夜行列車というものに、子供だった私はドキドキしながら列車を待っていた記憶がある。
これは夜というシチュエーションが、そうさせていたように思う。
大人になり、以前勤めていた職場に就職していた時は帰り道のホームで、
仕事が終わって家に帰られる安堵感からか、或いは疲労感からか、
ふと、上を見上げ夜空に浮かぶ星を眺めては、大きなため息をついていた。
これもやはり夜という条件だからこそ、という感じがする。
夜の駅には、旅情と日常の風景とが混じり合った、
なんともいえない不思議な世界がある、そんな気がしてならないのだ。
(写真は下り寝台特急「あけぼの」・2002年3月2日、東北本線上野駅にて撮影)